確かに、“秋人くん”と呼んだ。



来てくれた、ただ、嬉しくて。



それだけで、私は充分だよ・・・。



―――幼なじみで、私は良いよ、恵美ちゃん。











それ以上、望まないから。



今のままで、充分幸せだから。



秋人くんが、ここに居れば、それで良い。









「っ・・・うわぁぁぁあんっ」




「・・・・・・」





それからは、お姉様方はいつの間にか去っていて。



ただ優しく抱き締めてくれる秋人くんの腕の中で泣き続けた。










それが、恐さからか、嬉しさからは分からないけれど、甘くて酸っぱい涙だった。