暗くても、狭い部屋だから、何処に何が有るのかすぐ分かってしまう。 迷う事なく、ソッコーでストーブのスイッチを入れると、ボンヤリと赤い光りが灯る。 その明かりが何か余計寂しさを運んでくる気がして、部屋の電気をつけた。 洗面所へ手を洗いに行こうとした時、携帯が鳴った。 『もしかして?』 そのまま向きを変え、鞄の中の携帯を取った。 「もしもし?」 はやる気持ちを抑えるのに必死な私。