由香里は病気だった。 でも最後まで由香里は、その事を俺に話してくれなかった。 生物室で世話をする俺を隣で見ていた由香里。 きっとあの放課後、由香里は辛くて辛くて…。 なのに、俺のために待っていてくれた。 由香里の些細な変化に、一つだって気づいてやれなかった。 ─────…