短編-ワガママな恋。〜始まりのあの日〜




それから約一時間後。


あたしと幸正は、ファミレスにいた。



向かい合う二人。



あたしはイチゴパフェ。
幸正はアイスティー。



ニコニコするあたし。
ムスッとした表情で、アイスティーばかり見つめている幸正。









…な、何よこの状況!







「あのー…、野々村先輩?」



「なんでわざわざファミレス?」




幸正が低い声であたしに聞く。



「えっと、イチゴパフェが食べたくて?あはは…。」



やべ、全然笑えないよ。





「そう。じゃあ俺は、イチゴパフェを食べる単細胞に付き合ってるわけだ…。」



テーブルに頬杖をつき、冷めた目であたしを見据える幸正。




「…え、そうなの?」



自分のことを言われているにも関わらず、他人事のように返事を返すあたし。





「そうなのって…。てっきり話してくれるのかと思った。昨日の夜の話、なんで朝まで道路なんかに居たのか、とかさ。」