「んじゃ、気をつけろよ。」 昇降口まで着くと、決まって幸正はそう言い。 自転車に跨り帰って行く。 あたしのこと、後ろに乗せたっていーじゃん…。 いつか、後ろに乗ってやるんだから。 生物室を出たのは7時ころ。 地元の駅まで着くと、もう空は真っ暗だった。 暗いのが怖かったあたしの足取りは、自然と早くなっていった。