「あたし……悠斗が好きなの。

子供の頃からずっと、悠斗が好きだった…」

夢を、見ているんじゃないかと思った。

けど、これは夢じゃなくて現実。

「悠斗しか見えなくて、悠斗しか思えなくて…」

そう言った君を、また抱きしめた。

「俺も」

あの日から、夏美しか見えなかった。

あの日から、夏美しか思えなかった。

――オーロラが冬の空に咲く花なら、花火は夏の空に咲く花だと思うの

まぶしいくらいの笑顔でそう言った君に、僕はいつの間にか恋をしていた。

「夏美が、好きだ」

そう言った僕に、君は答える代わりに背中に手を回した。