花火のあがる音が聞こえたような気がしたけど、それどころじゃなかった。

夏美と…キスしてる?

何で?

夏美には、好きな人がいるんじゃないの?

いろいろと、疑問が頭に浮かぶ。

どれくらい、そうしていたのだろう?

唇が、離れた。

「――夏美……?」

やっと、出てきた声。

「好き…」

夏美が言った。

「悠斗が、好き…」

周りの音が消えた。

花火があがる大きな音も、今は聞こえない。