驚いたのも、無理はない。

と言うか、驚かないって方が間違えてる。

「悠斗…?」

君を、抱きしめていたんだから。

「こんなこと言うの失礼だと思うけど、彼氏と一緒じゃなくてよかった」

自然と、唇からこぼれた言葉。

けどもう、止まらなかった。

「俺さ、好きなんだ…。

夏美のこと」

何を言っているんだろうと、思った。

こんなことを言った時点で、“幼なじみ”と“恋人”の国境を越えられる言う訳じゃないのに。

そもそも夏美には、好きな人がいるって言うのに。

「…って、何言ってんだろうな、俺」

そう言って、夏美の躰を離した時、
「――ッ」

唇が温かいものにふさがれた。