ようやく切り替わった脳内は、しなければならない事が次々と浮かび上がるから。



会社へ連絡を入れたあと、素早く課長と部下へ個々の用件などそれぞれ連絡し終えた。



以前は随分と自分で抱えていた仕事も、徐々に手放していた事が功を奏したようだ。



“自分でやらなきゃ”という意固辞さも、随分と緩んで任せられるようになったから。



前よりも肩の力を抜いて仕事に取り掛かる、プラスの要素まで生み出してくれた。



大和を知る宇津木くんには、電話をした時に事件の事を含めて連絡したのだけど…。



「真咲さん?仕事なんて良いから、川崎さんについてて下さい!

俺らで何とかします!…大丈夫ですよ、絶対」


「ありがとう…」


「いえ…、気をつけて行って来て下さいね」


急な休暇を取る迷惑をかけるのに…、頼れる部下を持って本当に良かったと思えた。



部下を活かすも殺すも、上司の裁量次第――というのは、本当なのかもしれないね…。