大和に出会ってから私は、心が安らぐ事の本当の意味が分かったのかもしれない。



彼を心から愛して、そして愛されている事が、こんなに心を温めるとは知らなかった。



まだ芽吹いたばかりの新しい命も、既に私にとって大切な人だというのに・・・




あれからソファで泣きじゃくる私の背中をさすって、宥めてくれていたお義母さん。



その間はずっとお義父さんが、すっかり元気の無い亜実を見ていてくれているようだ。



彼女だって私に甘えたい筈なのに、まだポロポロ零れて止まない涙を恨めしく思う。



きっと妊娠した事と大和の負傷の件が重なって、情緒不安定なのもしれない…。




ようやく泣き止んだのは10分ほど経ってからで、大きく息を吐き平常心を取り戻す。



そんな私の傍にいていてくれたお義母さんは、お義父さんと一瞬だけ顔を見合わせた。



「真咲ちゃん、…アメリカへ行くのは止めた方が良いと思うわ」


「ど、どうしてですか…!?」


泣き通しだった潤み目の私に対して、お義母さんは心痛な面持ちを見せているけど。



「これでも私ね、結婚するまで看護師をしていたのよ。
だからね悪阻も始まっているから、ちょっと心配で…」


「っ、私は――大和が心配なんです…!
うっ、ひっ、く…彼に、会いたい…、お願いします…」


「…真咲ちゃん――」


どうして泣いてしまうのかは分からないけど、やっぱり溢れ出すモノが止められない。