幸せについて考える方がバカらしい…、真咲と出会ってからそう思うようになった。




“私なんて…”


いつでも自分を卑下して、何かに苦しむ様子でがむしゃらに生きて来たのか。



キャリアウーマンとしての呼び声高い評判とは、かけ離れた繊細な印象を受けた。



そうして一人で頑張っていた彼女と出会った時、俺は見返りなんてモノを考えず。



どこか危なげない彼女を守ってやりたい――と、気づけば勝手に身体が動いたんだ…。



“大和、ありがとう”


そう笑顔で言ってくれた時、もう絶対に手放せないと思ってプロポーズをしていた。



だからこそ彼女と結婚出来た今、愛しい人と人生を歩む日々に感謝するばかりだ。



幸せは追い掛けるモノでなく、自然と舞い込んで来るモノだと教えられたから。




“お腹の子と待ってるね?”


自分の命よりも大切と…、心からそう言い切れる子たちの待つ日本へ帰りたい――



たったソレだけの願いが、一瞬で狂うコトになるとは全く思わなかったんだ・・・