気にせずマイペースで、自分たちのペースを貫けばいい――



思いとは存外に、行動が伴わなかったりするものだ・・・




「眠いだろ?先に寝ていいから…」


「・・・えっ?」


帰宅が遅くなった俺の食事を用意すると、向かいの席でボーッとしている真咲。



何度も欠伸を堪えたり、瞼が重そうに閉じかけるほど疲れているようだ。



そんな姿を見せるのは珍しい分、疲れを滲ませる姿に心配が増してしまう。



「明日も仕事だし、早く寝た方が良いよ」


「うん…、そうしようかな…。

食器はそのままで良いからね?…おやすみなさい」


「大丈夫、おやすみ」


ニコリと笑って聞き入れた真咲の顔色は優れず、やはり体調が悪いのだろう。



食べて帰れば良かったのだろうが、出来うる限りは家で食事を取りたい――



その思いから、出張や接待などで無理な時以外は帰宅を心がけていたのだ。