ふと、独身時代の仕事に対してボルテージを高めるモノを思い起こせば。



この業種で自活出来るようになっていても、後継ぎを願う親父への対抗心で。



もちろん情熱もあったが、ソレがかなりのウエイトを占めていただろう…。





「え…と、亜実?

もう一度、ゆっくり言ってくれるかな…?」


「うん、あのね…」


今週もどうにか仕事を終えて、温かな料理を3人そろって食べている現在。



亜実ちゃんが大好物だという西京焼きに、目をキラキラさせながら発した言葉。



それを聞いた真咲といえば、文字通り目をパチクリさせて苦笑しているが…。




「お友だちのマリカちゃんね、お姉ちゃんになったんだって。

だからね?亜実もお姉ちゃんになりたいの!」


目の前の誘惑には勝てなかったのか、亜実ちゃんはひと口西京焼きを食べると。



若干うろたえている真咲に気づく事なく、バッサリ言い切ってしまった。