コチラが一方的に見知っていた真咲との出会いが、ある日突然だったように。



人との出会いや繋がりというモノは、何処でご縁があるのか分からないものだ…。




「あ、亜実ちゃーん!ついでに真咲ー」


笑顔で手を振る彼女には、少し離れた距離でも亜実ちゃんの声が届いたらしい。



亜実ちゃんと真咲に伴われて、人混みをかき分けながらソチラへと向かう最中。



「ついでって、相変わらず失礼…」


「ハハ、小林さんらしいな」


ハァ…と軽く溜め息めいたものを吐き出す真咲に、俺もまた同調して苦笑した。



「ホント…でも、泉が水族館…?」


「いや、失礼だろ…」


「だって。前に泉が言ってた、女王様の定番プランに入ってなかったのよ。

こういうトコロは、私たちとしか来ないって言ってたし…」


ブツブツ小言を言いながらも、親友との予期せぬ出会いに笑顔を見せるから。



駐車場での一件に苦しみを滲ませていたが、笑顔が柔らかくなって安心する。



奥深い悲しみをすべて取り去ってやれる日が、いつか来ると良いけどな・・・