席を立った俺が代わりにドアを閉めると、改めて至近距離から見下ろしてしまう。




「なんか新鮮」


「っ、ああー!」


ピタリと綺麗にまとめ上げられた髪に、ブラウンフレームのふち眼鏡を掛けて。



グレー色の落ち着いたパンツスタイルに身を包んでいる、まさに仕事中な姿を…。



「な、んで、急に来るのよ…!」


「いや、今さら隠されても」


すると訝しげな眼差しへ切り替えると、頭を抱えてしゃがみ込んでしまった真咲。



「あー、もう、ヤダ…バレるなんて…」


俯きながら、“バカバカ”とか“サイアク”などと、呟いては項垂れているから。



まるで世紀の大失敗を犯したような様子が、また俺と平蔵さんの笑いを生み出した。




「…ていうより、前から知ってるから」


「・・・は?」


そんな俺の発言で顔を上げた彼女は、意味が分からないと言った表情を見せる。



だから救うようにして立ち上がらせると、華奢な両肩へとそれぞれ手をついた俺。