何度この腕で抱いて、いつも抱き締めて眠っていても、飽きなど覚える訳がない。



意地を張ったり、己を曲げない直向きなところも、そのどれもが心を温めてくれて。



「フッ…、真咲の負けだ」


「・・・っ」


ガンとして譲らなかった真咲のお陰で、今日も残念ながらタイムオーバーとなり。



俺は少しだけ笑いながら、“負け”のフレーズでムッとしている彼女にキスをした。



次の瞬間にはもう!と言いながらも、ふふっと笑うから結局は俺の方が負けた気分。



「大和…」


「な、に…、…珍しい」


そのうえ真咲は、どういう訳か続けざまにチュッと音を立ててキスを重ねてくれて。


「貰った分は…お返ししなきゃ、でしょ?」


少しだけ気恥ずかしそうにしながらも、してやったり顔で笑みを浮かべているから。



「ハハッ、流石の営業ウーマン」


「もう!どーいう意味!?」


こうしてキリなく相手を求めてしまう理由を、今日の朝もまたひとつ学ばせて貰えた。



「さて、起きようか――」


この香りも体温だって…何もかもが自分の物だと誇示したくなるほどに・・・



  【#五  学 習★終】