テーブルに英字新聞を置いて、大変そうに座る彼女の補助をして落ち着かせた俺。



どうしても大きなお腹を抱えて歩く姿を心配してしまうのは、仕方ないというのに。



”大丈夫だから”の一点張りで笑い飛ばすから、これぞ“母は強し”なのだろう…。



「真咲ちゃーん、今日もご飯おいしいよ!」


「ふふ、ありがと!

今日のお弁当はね、亜実の好きな物ばかりだよ」


「ホント!?やったぁ」


リビングで朝からご飯をモリモリ食べる亜実ちゃんに、嬉しそうに答えている彼女。



また亜実ちゃんの意識が朝食へ戻った時、俺のニットの袖をクイと引っ張ってきた。



「日野さんが行くのって、いつ頃なの…?」


「ああ、と――そうだね。

今日の午後発の便で、正式に向こうへ行くよ」


「そっか・・・」


コチラへ来てまで話し掛けて来たのは、やはり俺の同僚である日野の事だった。