秋桜が散る前に





「その…今まで気付かなかったんですけど、秋くんって…私の1コ年上なんだなって…昨日思いまして…」




しどろもどろになりながら私は説明した。




「だから、敬語じゃないと、変かなぁって…」




私のそんな説明を黙って聞いていた秋くんは、なぜかはぁーっと長い溜め息をついた。



えっ、やっぱ嫌だったかな…


自分が年上として認識されなかったら、そんなに落ち込む事なのだろうか。




「…そうだったのか。なら、別にタメ口で構わないから。つーか敬語は気持ち悪い…」


「へ…?あの…でも…」

「俺がいいつってんだから、いいんだよ。むしろ敬語はやめてほしいし。」


「いいんですか?」


「だからそう言ってんじゃん。分かった?」


「は、はい…」


「『はい』じゃなくて『うん』。」


「う…うん?」




何で疑問系?と秋くんは吹き出した。


そんな秋くんにつられて私も笑ってしまった。



なんでかな。


久し振りに、心が暖かくなった。