秋桜が散る前に




「へぇ…空が?泣いたのか…」


「うん…そうなんですよね…」




空くんが泣いた翌日、私は愛染高校の前で秋くんを待ち伏せした。


次に会うまで、待つつもりはなかったから。


例え私が空くんの友達になれても、空くんの一番近くにいるのは秋くんだ。




「空はなぁ…いつもなんかトラブル抱えてるみたいだから…よく奏太と2人で相談のってたんだけど、最近…奏太が死んでから、相手にしてやれなかったから………」


「肝心な時にいないんですよね…奏太くんって…」




どうすればいいんだろう。


私なら、どうするかな。


奏太くんなら、なんて言うだろ。




「なぁ、ところでさ…」

「はい…?」


「なんで急に敬語になったの?」


「はっ…?」




唐突なその質問への回答に、私はちょっとまごついた。


だって、今まで年上として意識してませんでしたなんてバカ正直には言えない。




「咲夢さん…?」




私が黙っていると、秋くんはより追及しようとしてきた。


うぅ…仕方ない…



なるようになれっ!