恭介は楽しみができたとばかりに機嫌を直して、去っていった。

すぐに尋と咲美が俺を心配して詰め寄ってきてくれた。

「大丈夫?」

と咲美。

「あんな事言っちゃっていいの?」

と尋。

「いいんでしょうか?」

と俺。

でもなんだか、スッキリした気持ちにはなった。

勝てる可能性はほとんどないかもしれない。

けどなんだか吹っ切れたように、心は軽くなっていた。

「まぁ・・勝てるか勝てないかわからないけど、頑張ってみるよ。」

「委員長ありがと。」

その後、咲美は勢いで言ってしまったと、何度も俺に謝ったが、俺は逆によかったんだと思えていた。

以前ならびびりっぱなしだった自分とは少し違ってる。

そう実感できた。

「ってか、委員長、なんであんないいタイミングで出てこれた?」

「・・・いや、田中君っていじめられっ子キャラだから、心配で。」

「アブラムさんにも頼まれてたし。」






俺って、いじめられっ子キャラなんだな・・・