「なんだ?もう一回言ってみろよ?」

恭介の竹刀を握る手に力が入ったのがわかった。

「勝負は一ヵ月後!」

咲美がそう言って、恭介の竹刀を握る手にこもっていた力が、ふっとふけたのがわかった。

そして俺の頭の中にあったのは、たくさんの疑問符だった。

「正々堂々勝負です!」

力強い口調で言っているが、間違いなく、勝負をするのは俺だろう。

恭介が天を仰いで、顔を押さえながら、大笑いした。

「一ヶ月あれば、うんこ野郎が俺に勝てるってか?」

「そうです。」

自信満々に咲美は答えるが、当の本人の俺に勝てる自信はまったくの皆無だった。

「もし俺がその正々堂々の勝負とやらで負けたら、剣道部を辞める。」

「うんこ野郎が負けたら、うんこ野郎が辞める。」

「それでいいんだな?」

・・・・

はい?

明らかに話がおかしい事に方向へとむかっている。

「いや・・それは・・」

「それでいいです。」

少し抵抗しようと思ったが、咲美はばっさり遮り、はっきりと答えた。








もう・・

どうにでもなれ・・・