完全に無防備な剣道部員達。

次にやる事は決まっている。

「的確に急所を突く」・・・

一番近くにいる三年の寺門(てらかど)君に足早に歩み寄り。

寺門君の竹刀を強引に奪い取った。

そしてその竹刀で寺門君の面を大声を張り上げながら、力いっぱい打った。

「なんでやメーーーーーン」

道場の空気はもはや完全に氷点下であった。

しかしうまく隙を突く事ができ、部員達はどうすればいいのかおろおろとしている。

風の巻、最終奥義。

「追いつめる」

俺は竹刀を寺門君の手に強引に握らせ。

ツカツカと道場の出入り口へと歩いた。

そして最後の一言を放った。

・・・

・・・

「ごメーーーーーーーーーーンちゃい」

俺はすぐさま道場を飛び出し、振り返らず、全速力で走った。