アブラム『うん、まぁ、きてるってか・・・』

アブラム『普通。』

アブラム『俺が教えてるんだから、救済試験は通って当たり前だし。』

アブラム『ところでその尋ちゃんと、咲美ちゃん、どっちが好きなんよ?』

どっちが?

深く考えてなかった。

尋は本当に可愛いし、中学の頃から大好きだった。

咲美も本当に優しいし、実はとっても可愛い、最近になって面識を持ったが好きか?と聞かれるとそうなのかな?とも思う。

アブラム『わかんないのか?』

アブラム『まぁいいや、ところでさっき言ってた尋ちゃんのメール』

アブラム『剣道部には戻るの?』

これも考えてなかった。

剣道部にいまさら自分の居場所なんてあるのだろうか。

二年も部活に行ってなかったし、竹刀もたまに部屋で素振りするくらいでまとも振ってない。

トレーニングはアブラムに言われてからは毎日欠かさずやってはいるが、それも最近になっての事だ。

ウコン『アブラムはどう思う?』

ウコン『俺、戻ったほうがいいのかな?』

しばしの沈黙の後、アブラムが言った。

アブラム『なんで俺に聞く?』