恭介に会い、肩を落とす俺を背中をまた誰かがポンッと叩いた。

俺は振り向いて固まった。

そこに立っていたのは、ずっと好意を寄せている、尋だった。

二年ぶりに会うが、可愛さにまた一段と磨きがかかった尋は女神の様だった。

俺が見とれてぼーっとしていると、尋が笑顔で俺の頬をつねった。

「右近くーん」

「ずっと、学校に来なくて心配してたんだよぉ」

プクッと頬を膨らましながらそういう尋は反則級の美しさだった。

「でもよかったよ。」

本当に心配してくれていたんだなと思った。

ホッとした様な表情で嬉しそうに笑う尋。

恭介に会って沈んでいた嫌な気持ちが一気に晴れていくのがわかった。

やっぱり俺はまだ尋の事が好きなのかもしれない。

単純な俺は二年ぶりに見る、肩想いしていた可愛い尋に会って、尋への感情はまだ冷めてはいなかった事を感じた。

その後は軽く話をして、「また明日から」と尋は去っていった。

後にはとてもいい香りを残して。

これからまた尋と同じ学校に通える。

そう思っただけで嫌な事は忘れ、明日からの学校が楽しみになった。