校門の前では、咲美と小桜先生が待っていた。

「それじゃあ、こっちの教室でやる」

そう言って、小桜先生が案内をしてくれた。

緊張に胸が高鳴る。

大丈夫、大丈夫、何度も自分にそう言い聞かせた。

咲美が「がんばってね」と俺の肩をポンッと叩き、去っていった。

俺の事をあんなにも気にかけてくれている、咲美の為にもがんばろう。

そんな気持ちになれた。

教室は誰もおらず、それがさらに俺の緊張を煽った。

「制限時間は1時間」

「90点以上で合格だ」

「それでは」





「始め!!」

勢いよくテスト用紙を表に返し、シャープペン取り出し、まずは氏名を記入。

続いて、第一問をゆっくりと落ちついて読み始めた。

アブラムに教わった事だ。

まずは名前、そして第一問を急がず、ゆっくりと落ちついて読んでテストに臨む事。