「遂に火の巻まで開いたか。」

「正直、ここからはマジだ。」

いや・・今までまじじゃなかったのかよ、と思ったが今はそんな突っ込みを入れてる場合ではなかったのでさらに火の巻を読み進めた。

「今、お前は巨大な敵にぶつかっている事だろう。」

「そんな時の戦い方をここに記す」

巨大な敵。

たしかに、そうだ。

今回は前述してあった様にかなりマジな内容の様だ。

俺の携帯を持つ手には知らず知らずのうちに力が込められていた。

「とりあえず、」

ゴクリ

「寝ろ」

ふざけてるのか?

必死に悩んでいるのに、こんなときにまでおちょくりやがって、と腹を立てたが続きが書いてあったので一応目を通す事にした。

「巨大な敵と戦う時に、その敵に打ち勝とうとするあまり無理をしていないか?」

「無理をすれば、体力はおち、集中力もなくなり、勝てる相手にも勝てなくなる。」

「そんな時こそ、心を落ち着かせ、身体を休ませて戦いに備えるんだ。」

「敵に勝つための努力は十分にしてきたのだろう?」



「なら自分を信じて、あとは身体を休める事も大事なんだ。」

「お前にはきっとできる」