心の中ではそう思いながらも言葉に出せない、弱気で内気な俺は覚悟を決めて「腐臭峠」にむかった。

『いざ・・・覚悟!』

一心不乱にゴミの山をかき分ける。

高く積み重なった、ゴミの山がみるみるうちに俺の手によって削られている。

最初は汗の腐った臭いというか・・なんとも言えない悪臭を解き放っていた、巨大な山脈も半分ほどは掘削作業が完了していた。

もはや臭いも気にならなくなり、俺は半ばトランス状態にはいり、口元には軽い笑みすら浮かべていた。

『フフ・・フフ・・フハハハハハ』

調子に乗って、掘削作業のペースを上げ始めたその時だった。

恐らく、全体を支えていたのであろう、一本の竹刀を引きぬき、叩き折った瞬間。

腐臭峠は音をたててくずれた、残骸の山が頭上に降り注ぐ、まるで走馬灯の様に残骸の降り注ぐ光景がスローモーションに見え、俺は瓦礫の下敷きとなってしまった。