「あはははは、おもしろいなぁ」

「もしかして君、右近君かい?」

なぜかイケメン美容師さんは俺の名前を知っていた。

「なぜ僕の事を?」

「の・・・いや、アブラムさんから聞いて。」

「僕が粟田です、宜しく。」

イケメンのお兄さんの正体はアブラムから紹介された粟田さんだった。

粟田さんは背が高く、モデルのようなスタイルで、顔もかなりかっこよかった。

歳は25歳前後だろうか。

男の俺でもカッコいいと思ってしまうのだ、当然モテまくるに違いない。

「それじゃあ、早速こちらへどうぞ。」

粟田はジェントルに、かっこよく俺を席へ案内してくれた。

席に座った俺の髪をクシでとかしながら、ニコニコと微笑んでいる。

「自分で切ったって聞いてたけど、たしかにこりゃひどい。」

ハハッとさわやかに笑いながら粟田はハサミを取り出した。

「アブラムさんに言われた通りやっちゃえばいいのね?」

「はい、おねがいします。」