もちろんの事ながら、恭介は「腐臭峠」には近づきもせず、楽なところの掃き掃除や、拭き掃除などをやっていた。

掃除も終盤に差し掛かり、もはや目立つのは「腐臭峠」のみとなっていた。

恭介の方など見たくはないが、俺はチラッと恭介の顔色を伺った。

俺を見る恭介の目は明らかに「やれよ」と言っている。

俺がモタモタしていると恭介は俺の背中をドンッと押した。

「そこ、早くやれよ。」

そことはやはり「腐臭峠」の事を言っている様子だ。

『お前がやれよっ!!!』