俺がこうなったのにはちゃんとした深い深い理由がある。

もちろん俺も生まれたその瞬間から引きこもりだったわけではない。

小学生の頃は明るく、ドッジボールやサッカーなんてしちゃう普通の男の子だった。

そう・・・

中学にあがったあたりから少しずつおかしくなっていった。

俺が引きこもるにあたり、原因となった事件が三つある。

俺はそれを「絶望のトライアングル」と呼んでいるのだが、それが俺が引きこもりになった
理由であるのでここで話しておかなければならない。

まず第一の角(事件)。

あれは中1の夏。

俺は当時、剣道部に所属していて、その日は同級生の飯島 恭介(いいじま きょうすけ)君と部室の掃除をしていた。

まぁその飯島 恭介はとても嫌なやつで体も大きく、喧嘩も強いので、もちろん俺は長いものには巻かれておく性質なので恭介のパシリのような状態だった。

そんな恭介と一緒に、とても臭い真夏の剣道部部室の掃除をするのは大変に苦痛だったが、その時の俺は一生懸命に掃除をしていた。

剣道部の部室には不要なものを角に積み重ねる習慣があった。

使い古したタオル。

折れた竹刀。

壊れた防具。

色々な残骸も積み重ねたその瓦礫の山を剣道部の連中はこう呼んだ。

「腐臭峠」と・・・