俺は「咲美は俺の女だ!」とばかりに咲美に向かって大きく手を振ってアピールした。

そんな俺を見て、少し恥ずかしそうに咲美が小走りで寄ってきた。

「右近、なんだか目立ってるよ?」

はにかんで笑うこの表情は、高校の時からずっと俺にだけ向けられている。

などと自己満足に浸りながら、咲美の手を握った。

周りの男どものうらめしそうな顔が目に浮かぶ。

「急にどうしたの?」

勢いよく、手を取った俺に驚いて咲美がきょとんとした表情をした。

「今日は、咲美に言いたいことがあったんだ。」