そう言えば、不思議な事がある。

『五輪の書』に関してだ。

咲美はそんなものを渡した記憶はないと言うし、寺門と尋、恭介も知らないという。

はては粟田さんにも聞いたが、もちろん知らなかった。

あれはなんだったんだろうと考えたが、咲美が忘れているだけだろうと深く考えなかった。






そして、月日は流れて、楽しかった高校生活も遂に卒業式を迎えた。