咲美の言葉を聞いた瞬間。


俺は駆けだしていた。


咲美はそれを言った後に俺が出る行動がわかっていたのだろう。


いつもの柔らかな笑みで俺を送り出してくれた。


俺は走り出しながら、言った。


「尋とは付き合わない事になった、委員長、また明日。」


「学校で!!」


咲美は一瞬少し驚いた様な表情をしたが、また優しい柔らかな笑みを俺に投げてくれた。


俺は振りかえらず、全速力で走った。


今日の俺は女の子を泣かせては、走ってばかりだ。