「ところでどうするんだい?」

「何が?」

「尋君と委員長の事だよ。」

俺はあからさまに同様した。

「えっ?な、ななにが?」

「その様子だと、二人の気持ちに気づいてる様だけど、どっちつかずはあまり関心しないなぁ。」

胸がズキンとした。

俺みたいな奴に優しくしてくれる二人に俺は甘えてどっちつかずの態度をとっていたのかもしれない。

「大丈夫。わかってる。」

寺門はそれ以上それに関しては何も言わず、「そっか」とだけあいづちをうった。

更衣室を出ると、尋が笑顔で俺を出迎えてくれた。

しかし、そばには咲美の姿は見えなかった。

「委員長は?」

「用事があるとかで、もう帰っちゃったよ。」

「それより、今日はもう帰ろ?」

尋は俺の腕を掴んで強引に連れ出した。

道場の隅には正座をし、物思いに耽るような表情をした恭介がいて、それを見るとなんだか胸がモヤモヤした。