家に帰り、久しぶりにチャットルームに入室したがアブラムはいなかった。

しかし、パソコンのメールボックスに一通のメールが届いていた。

『明日は、いよいよ決戦だな。』

『こうなってしまっては、私にできるアドバイスは、もうほとんどない。』

『頑張れ。』

『今私に言えるのはそれだけだ、君の勝利を心から信じている。』

『君にはできる。』

『明日の夜、チャットルームで待っている。』

『君からの報告が、今から楽しみだ。』

『今日は明日に備えて、早く休むといい。』

『それじゃあ、よい夢を。』

さっきまで明日の勝負の事は頭から消えていた。

咲美の態度、尋の言葉。

そして自分の気持ちの事を考えていた。

けれどアブラムのメールを見て、考えるのをやめた。

アブラム、咲美、尋、寺門、みんなが明日の勝負の為に俺を励まし、協力してくれた。

その好意を無駄にすることなど許されるはずはない。

明日は必ず勝つ。