次の日は、陽も昇る前に家が揺れるような大声で叩き起こされた。

「た~な~かく~~ん」

「あ~そ~ぼ~」

外を覗いてみると、立っていたのはジャージに身を包み、ありえないほどの笑顔で俺の部屋を見上げている寺門だった。

あいつ頭おかしいだろ。

朝来るとは聞いてたけど、まだ4時じゃねーか。

とりあえずしばらく無視していればあきらめるだろう。

そう思って布団に潜り込んだ。

「た~~な~~かく~~~~ん」

「あ~~そ~~ぼ~~」

「う~~こ~~~んく~~~~ん」

「あ~~そ~~ぼ~~」

しつこいな・・・

「た~~な~~かっ・・ごほっごほっっ・・・」

むせている寺門に不覚にも少し受けてしまった。

さすがに剣道部の部長だけあって根性がすごい。

30分近くひたすら呼び続けてのども枯れ枯れになっている。

かわいそうだし、約束もしていたのだからしょうがないと俺ベットを立った。

「う~~~~・・・」

もういいって・・そう思って窓を開けようとしたその時だった。