母の手帳

その時ーー


コツン…コツン

と玄関の近くでヒールで床を歩く音がして慌てて手帳をエプロンにしまった。

カチャ

「ただいまー」

「おっお帰りなさい!」
手帳に夢中になっていて気づかなかったが、もう数10分も経過していてびっくりした。


「あら、お出迎え?」

「う、うんっ」

「はい、アイスよ」

「…ありがとう…」

あの事が気になって上手く笑えない。


「あ、あたしも何か手伝うねっ」

「あらあら、ありがとう」


どうしてか分からないけどあのポイントが0点になっちゃいけない気がしてた。



だからマイナスを付けれないようにいい子でいなきゃ…!!