Last summer 。




『おまえ面白いな!』

『は?』

『ひとことで“とくにありません”って!斎藤も焦っとったぞ!』

自分で

言いながら

大爆笑

している。

おまえこそ

面白いけど。

『おまえ裕太って言うんやったな!』

『うん、まぁ…』

『おし、裕太!オレは春樹。よろしくな!』

『うん。よろしく』
それから

春樹は

オレに

校舎を

案内したり

弁当を

一緒に

食べたり

学校にいる

ほとんどの

時間を

オレと

過ごした。

帰り道。

『裕太ん家知りたい!』

春樹が

突然

言い出して

どういうわけか

一緒に

帰っている。

『へぇー。こっちかー』

独り言

多いな。

ふと

聞いてみた。

『あのさ、』

『ん?』

『俺の席の、斜め右って誰?』

春樹が

一瞬

目を

逸らした。

なんで…?

『あぁ、えっと…和也。相沢和也』

『へぇ。明日は来るかな』

『…来ないと思う』

え?

なんで?

『え、なんで来ねーの?』

『………』

春樹は

黙って

しまった。

『おい、春樹?』

『…入院、しとる』

『入院?なんで…』

『よく、わからん…』

曖昧な

答え

だったけど

オレに

わかったこと。

軽い問題

じゃない。

深刻なこと

ってこと。