『裕太くん。もう遅いし、帰りなさい。送っていくから』

『いえ…。一緒にいさせてください…』

『…裕太くん。言いにくいんだが…親子だけに、してくれないか?』

そう。

オレは

他人。

和也とは

友達

なだけ。

和也の

お父さんに

そう言われ

聞かざるを得なかった。

『…わかりました。すいませんでした…』

『いや…』

和也の

お父さんは

眉を下げて

ちょっと

困ったように

笑いながら

オレを

車に乗せた。

車を

走らせながら

和也の

お父さんは

話し始めた。

『和也はね…、生れつき心臓が悪くて…、はっきり検査してみたら、心臓病だったんだ』

『…生れつき、なんですか…』

信号が

赤になる。

車が止まる。

和也の

お父さんは

遠い目を

しながら

『オレが、代わってやれたらなぁ…』

ひとこと

そう

呟いた。