「―――……。」 惇のいれたコーヒーは美味しかった。 甘過ぎず、苦すぎず。 「美味しい。」 「よかった。」 「…―うん。」 でも、そんな美味しいコーヒーを飲んでも私は晴れなかった。 「ねぇ惇?」 そっと隣に座る惇の片に頭を乗せる。 「ん?」 惇は私の頭を優しく撫でた。 「後悔してる。」 「うん。」 「蘭ちゃん、倒れちゃったよ。」 「うん。」 「私のせいだよね。きっとまだそんな時じゃなかったんだよ。」 「―…。」 「恭平君にね、言われたんだ。」 惇は何も言わない。