「蘭。」 すると、晃人の冷静な透き通った声が私に届いた。 龍から晃人に視線を移す。 「晃人?」 すると、晃人は私に口パクで何かを伝えようとしていた。 「さ、あ、き、に、う、い、て────…?はぁ。何言ってんの?」 でも、私に全く分からない。 何言ってんの? 「笹木については知っている。だ。」 すると、私が分からない事が分かったのか恭平が丁寧に解釈してくれた。 “笹木については知っている。” そういう事か。 もう一度、晃人の口を見ると確かにそう言っている。