今度は2人で入った。武瑠は、迷うことなく歩いていく。着いたところは、ノート売り場だった。武瑠は、近くにあった大学ノートを取ろうとした。しかし、それを、横取りするように、淳也が奪い取った。
「これこれ、これ探してたんだよ」
「何焦ってんの?大学ノートぐらい、他にもあんじゃねぇか」
 そんな事いわれても、何も気にせずに淳也はレジへと向かった。そんな淳也に、少し嫌味ったらしく武瑠が言った。
「おい、淳也!お前家に書く物あるのか?」 すると、今まで武瑠の言うことに耳をかさなかった淳也が急に振り返り、少しイライラしながら言った。
「今から買いに行くんだよ!」
 そう言うと、また向き直り、奥へ歩いて行った。しかしすぐに武瑠のもとへ戻ってきた。そして、顔を赤くして言った。
「シャーペンって、どこ??」
 そんな事を訊く淳也を、武瑠は面白がって笑った。笑いながら武瑠は、シャーペンを置いている所へ、淳也を連れて行った。「ここだよ。下敷きとかはいいの?」
 武瑠がそう訊くと、淳也はシャーペンを選びながら切り返した。
「それぐらい持ってるよ。あんまり中東様をなめるなよ?」
 そんな事を言う淳也を、はいはいと宥め、2人でレジへ向かった。