隠れ鬼ごっこ

文「皆、ビー玉は持ったよな?」


文太が鏡を空に向ける様に置いて聞いた。


昴「持ったよ」
拓「あぁ、あるぜ」
怜「俺もある」
雅「僕もあるよ」


文「よしっ!じゃあ、早速始めようぜ!」


俺たちがそう言うのを確認すると文太が左右に居た昴と拓海の手を握った。


2人が「はっ?」と言うと文太は「ほら、何してるの〜。手、繋がないとできねぇじゃん」と言った。


…そういえば参加者全員が手を繋がないといけないんだったっけと思いながら俺たち5人は手を繋ぎ丸くなった。


拓「なんか野郎5人で手ぇ繋ぐなんて…悲しいな」


拓海が本当に悲しそうに言った。


確かに俺たちには彼女が居ない。


高校生にもなって彼女が居ない男達で手を繋ぐのはかなり痛いのかもしれない。

昴「そんな事、言うなよ〜。俺まで悲しくなんじゃん」


昴まで言うから俺まで悲しくなってきた。


そんな時、能天気な奴の声がした。


文「そんな事どーでも良いじゃん?いいから、早くやろう〜」


子どもの様にはしゃぐ文太に俺は口を開いた。


怜「文太は少し危機感を持つべきだろ」


文「いーじゃん。女なんかよりこういう方が好きなんだからさ〜」


…もう、これは何を言っても聞かないだろうな。


俺は溜め息をついてから「まぁ、いいよ。とりあえずやる?」とだけ言った。


文「そうこなくっちゃ♪やり方は分かってるよな?」

文太の言葉に俺たちは頷いた。


文「んじゃ、始めるぜー」

その言葉に俺達は目を瞑った。