悲鳴が聞こえた方へ俺達は走った。
そして、角を曲がった時だった。
「!!!!」
そこには血塗れで倒れている拓海と女子2人がいた。
きっと、その女子2人が拓海と昴を囮にした2人だろう。
「拓海!」
拓海の名前を呼ぶ。
「さ…怜!」
頭から血を流しながら、拓海は俺の方を見た。
急いで近付こうと思った俺達の足が止まった。
何故なら、すぐ近くには鬼が居たからだ。
しかし、鬼は俺達には目もくれずに女子の1人を追いやっていた。
「――絵里!」
麻里がその子の名前を呼んだ。
「こ…来ないでぇぇ!」
絵里と呼ばれた女子は追いやられていることでパニックになっているのか、とてつもない声で叫んでいる。
鬼はそれに屈せずに一歩、また一歩とその子に近付く。
誰も動けずに居た。
鬼から発せられている殺気のせいか、はたまた違う何かがあるかは分からない。
だが、その場から動けなかった。
「た…助けて…!美咲ぃ…!!!」
涙を浮かべながら必死に友人に助けを乞うその姿に、昴を囮にしたとは言え、気の毒になった。
しかし、助けたくても動けない。
どうして、こんなことに…!?
動かない足の変わりに、頭を動かしながら俺は考えた。
そして、角を曲がった時だった。
「!!!!」
そこには血塗れで倒れている拓海と女子2人がいた。
きっと、その女子2人が拓海と昴を囮にした2人だろう。
「拓海!」
拓海の名前を呼ぶ。
「さ…怜!」
頭から血を流しながら、拓海は俺の方を見た。
急いで近付こうと思った俺達の足が止まった。
何故なら、すぐ近くには鬼が居たからだ。
しかし、鬼は俺達には目もくれずに女子の1人を追いやっていた。
「――絵里!」
麻里がその子の名前を呼んだ。
「こ…来ないでぇぇ!」
絵里と呼ばれた女子は追いやられていることでパニックになっているのか、とてつもない声で叫んでいる。
鬼はそれに屈せずに一歩、また一歩とその子に近付く。
誰も動けずに居た。
鬼から発せられている殺気のせいか、はたまた違う何かがあるかは分からない。
だが、その場から動けなかった。
「た…助けて…!美咲ぃ…!!!」
涙を浮かべながら必死に友人に助けを乞うその姿に、昴を囮にしたとは言え、気の毒になった。
しかし、助けたくても動けない。
どうして、こんなことに…!?
動かない足の変わりに、頭を動かしながら俺は考えた。


