隠れ鬼ごっこ

ピ「もう意識は朦朧としてるから、さっきみたいな悲鳴は期待出来ないけど……滅茶苦茶に食用の牛や豚の様に切り刻まれて殺される“ザクザクショー”は見れるから楽しみだな…♪」


狂喜でいっぱいの笑顔で笑うピエロ。


確かに意識は痛みでかなり朦朧としていた。


昴「ッ…」


その笑顔に寒気がした。


ピ「滅茶苦茶になった君の死体をコレクションするよ、昴クン…♪ふふ…アハハハハッ!♪」


鬼が昴を掴んだ。


今度はガラスの破片もないし、怪我させても鬼には意味がない上に逃げる力も残されていなかった。


その様子をニヤニヤしながら見ていたピエロを昴は思い切り睨み付けた。


それを見たピエロは笑いながら「バイバーイ、昴クン…♪」と手を振り、また紫の煙の中に消えていった。

鬼は目を刺されたのが気に入らなかったのか、さっきより冷たく殺気の籠った目で昴を見た。


昴はどうしようもないまま…鬼が振り上げたナイフに突き刺された。


昴「グァ…!」


痛みはまだあり、激痛が襲う。


叫び声をあげる程の力はなかったがかなりの激痛だった。


それでも、鬼は突き刺すその手を止めなかった。


あちこちを切り刻まれて完全に意識は消えかかっていた。


血が辺りに流れ出して血の川を作り出す。


意識が完全に消えかかる前に昴は動かなくなった口を無理矢理動かして呟いた。


昴「み……な…い…き………よ………」


鬼「!」


一瞬ナイフを持った手を止める鬼。


昴はその言葉を最期に息を引き取った。


―皆、生き残れよ―


その言葉を残して。


鬼「………」


鬼は周りを見た。


辺りは昴の血液で海が出来ていた。


暫く鬼は手を止めていたが、やがてニタリと笑い…


鬼「捕まえた…♪
捕まえた…♪
2人目を捕まえた…♪
捕まった2人目は…♪
鬼に切り刻まれて…♪
血塗れでボロボロの人形になって…♪
ピエロのコレクションとなりました…♪
さぁ、次は誰かな…?♪」


と不気味な歌を歌った。