隠れ鬼ごっこ

い…ってぇ……。


ググッと顔を動かして左腕を見るとさっきまであった筈の腕は綺麗になくなっており、変わりにそこから赤い液体が凄い勢いで流れ出ている。


更に首だけを動かして鬼を見ると俺の左腕だった物を掴んで冷ややかに俺を見ていた。


昴「ハァ…う……ぐ…」


痛い。


情けない事に痛みで涙が出てきた。


でも、本当に痛い。


右手で左肩を押さえるが血は止まる事を知らない。


――死ぬ


改めてそう思った。


そして、鬼はうつ伏せに倒れていた俺を無理矢理立たせ近くの教室の窓に投げつけた。


ガシャン!!


昴「グァ…!」


ガシャガシャ…ドサッ…


その衝撃で窓のガラスが割れ、辺りにはガラスの破片が飛び散った。


更にあちこちに切傷が出来た。


鬼はまた乱暴に俺を仰向けにさせると馬乗りになってきた。


昴「う…ッ…!」


背中にガラスの破片が突き刺さる。


鬼を見てみるとその手には…ナイフ。


昴「っハァ……ハァ…」


もう痛みで動けない。


でも……何かしねぇと。


その時、右手に何かが当たった。


昴「!!」


俺はそれを確認すると、ギュッとそれを握りしめる。


そして、刺そうと手を振り上げた鬼の目に……


昴「うらぁ…!!!」


グサッ!!


鬼「!!」


思いきりガラスの破片を差した。


鬼は立ち上がって目を押さえた。