隠れ鬼ごっこ

拓「あ…あ……!」


昴「ッ…!」


2人は一瞬動けなくなった。


ヤバい ヤバい ヤバい!!

このままじゃ殺される…!

逃げようと思うが恐怖で足が上手く動かない。


畜生…!


動けよ、足っ!


その間も鬼はヒタリ、ヒタリと近付いてくる。


その時、拓海が懐中時計を落とした。


――カシャン


昴「!」


その音で我に返った。


昴「ッ!逃げるぞ!!拓海っ!!」


昴は拓海の手を引っ張って走り出した。


それと同時に鬼も走り出した。



暗い廊下の中、学校の地図も理解していない2人はとにかく走った。


やはり鬼かなり足が早かった。


捕まれば…死ぬ。


命を賭けた――鬼ごっこが始まった。