隠れ鬼ごっこ

タッタッタッ……


なるべく足音をたてない様に走る2人。


人影が消えて行った左に曲がると階段があった。


昴が拓海の方をチラリと見る。


拓海が頷くと2人は階段をかけ上がった。


すると、左右に分かれた廊下があった。


拓「どっちに行ったんだ!?」


昴「…あっ、これ!」


左の廊下に続く道の方で昴が何かを拾い上げた。


拓「これって…さっき貰った懐中時計じゃん」


そこに落ちていたのはさっき進行人から貰った懐中時計だった。


昴「!おい、これ見てみろよ!」


昴が慌てて水晶の方を指差す。


拓「なんだよ――。!」


2人は驚いた。


何故なら水晶の1つが砕けていたからだ。


加えて、その懐中時計には血痕がついていた。


拓「まっ、まさか誰かやられて――」


昴「いや、違うな。俺達ではなさそうだ。それが証拠に俺達の色の水晶は砕けていない」


見てみると赤、青、水色、黄色、緑の水晶は残っており、残りの水晶の色は透明、紫、黄緑、オレンジだった。


拓「確かここの色って……ピンクだったよな」


昴「あぁ。…俺達のにも反映されてる」


昴が自分の懐中時計を出して見せる。


拓海もそれに合わせ出すと2人のもその部分が砕けていた。