教室に入った瞬間、雅明が止まった。


怜「? 雅あ――」


雅「しっ。…なんか居る」

怜「!?」


俺も気配を押し殺し、気配を察知しようとするがイマイチ分からなかった。


怜「…何処からだ?」


俺が小声で聞き返すと雅明も小声で答えた。


雅「まだ分からない…けど、近くに誰かが居るよ。でも…殺気とかは感じない」


怜「なら鬼とかじゃないか…。だが、とりあえず…隠れるのも踏まえてしゃがんで様子伺うか?」


コクンと雅明は頷いた。


ゴソゴソ…


俺たちは膝をついて歩く。

雅「なんかこの学校に入ってから一層…気配が分かりづらい」


更に小声で話す雅明。


怜「確かに…空気は重いな」


そう言って雅明の方を見たまま机の下に入ろうとした瞬間だった。


――トンッ。


何かにぶつかった。


それは明らかに生きている何か。


怜「ッ!?」


駆け出そうとした時…


?「きゃあ!」


小さな悲鳴が聞こえた。


怜「!?」


バッと見てみるとそこには1人の女の子が腰を抜かしていた。


怜「女…の子?」


制服を着た女の子は明らかに震えている。


雅「もしかして…貴女も参加者ですか?」


雅明の問いに俺はハッとし、期待する様に女の子を見た。


彼女は首を上下に振った。