隠れ鬼ごっこ

ピ「おー♪潔いね〜、君は。ところで、後ろの子は隠れてばっかりだけど…どうしたのかな〜?」


ピエロが俺の後ろを覗き込む。


雅「…!」


ビクッ


雅明はギュッと俺の制服を強く掴んだ。


その様子を見てピエロは口角を吊り上げて笑い「あぁ、君は分かってるんだね。僕の存在(こと)が…」と俺と雅明にしか聞こえない様に言った。


ピ「ふふっ♪でも、ゲームは楽しんでやらないとっ♪」


ピエロはまたいつものヘラヘラした笑顔でそう言って俺達から少し離れた。


怜「ちょっと待て。やる前に…質問してもいいか?」

俺が聞くと「質問?いいね〜♪いいよ〜」と笑いながら言った。


怜「まず1つ。さっき脱落者はどうのこうのって言ってたが…鬼に捕まったらどうなる?」


ピ「簡単な事だよ。脱落者は“死ぬ”だけだよ♪」


昴「死ぬ!?」


ピ「そっ♪鬼は血に餓えてるから捕まった瞬間…八つ裂きにされるだろうねぇ♪」


「脱落者には死あるのみー♪」と楽しそうに続けた。

死ぬだと?


くそ……


捕まったら楽に逃げられないとは思っていたけど…死ぬなんて……


捕まって、どこかに閉じ込められるなら誰か捕まったら助け出せば良いと思ってたけど……


怜「あまり承諾はしたくないが……ここで、何か言っても脱落…だろ?」


ピ「ピンポーン♪その通り!」


ピエロはおどけて言った。

怜「2つ目。鬼は1人だと言ったな?お前が俺等を追い回すのか?」


ピ「ぶっぷー!外れ。僕はあくまでこのゲームの進行人だから君たちを追い回す鬼ではないよ♪鬼は…この子!」


ピエロがパチンッと指を鳴らした。